【FP2級】ファイナンシャル・プランニングの職業的原則

FP2級用語・練習問題

今回はFP(ファイナンシャル・プランナー)を目指す上で絶対に欠かすことのできない「ファイナンシャル・プランニングの職業的原則(職業倫理)」について解説します。

FP2級・3級の試験では、ライフプランニングと資金計画分野の冒頭で必ず出題される超重要テーマです。単に試験知識として暗記するだけでなく、将来FPとして活動する際の実務上の指針となる基本的な考え方を正確に把握しておきましょう。

一言でいうと

ファイナンシャル・プランニングの職業的原則とは、一言でいうと、

「FPが顧客から信頼を得てプランニングを行うために守るべき、最も基本的かつ高い行動規範および倫理基準のこと」

です。

個人の資産や人生の目標というきわめてプライベートな情報に接する立場にあるからこそ、法令遵守はもちろんのこと、誠実かつ倫理的な行動が求められます。

具体例

職業的原則が問われる具体的なシチュエーションを見てみましょう。

提携している特定の金融機関の商品を勧めると高額な手数料が入るが、顧客にとっては別の金融機関の商品の方が条件が良い場合
→ FP自身の利益や手数料の多寡ではなく、顧客の利益を最も優先して提案しなければなりません(顧客利益の優先)。

過去の顧客から相談された家計状況や資産額について、友人に話題として話してしまった場合
→ たとえ退職後であっても、正当な理由なく他人に顧客情報を漏らすことは絶対に許されません(守秘義務の遵守)。

提案した金融商品のリスクや手数料について十分な説明を省き、メリットだけを強調して契約させた場合
→ デメリットやリスクも含めて分かりやすく説明し、顧客に理解・納得してもらう責任があります(インフォームド・コンセントおよび説明責任)。

FPに求められる6つの職業倫理(原則)

日本FP協会や日本ファイナンシャル・プランナーズ協会などの倫理規程では、主に以下の6つの原則が掲げられています。FP試験でもこれらの概念が形を変えて繰り返し問われます。

職業的原則具体的な内容・試験ポイント
① 顧客優先(顧客利益の優先)常に顧客の最善の利益を考慮して行動し、自身の利益や第三者の利益との衝突(利益相反)を回避すること。
② 守秘義務の遵守相談過程で知り得た顧客の個人情報やプライバシーを、正当な理由なく第三者に漏洩しないこと。契約終了後も継続する。
③ 誠実性の維持(インテグリティー)常に公正かつ誠実に業務を行い、専門家としての高い品格と信頼性を保ち続けること。
④ 客観性の維持(公正性)偏った意見や自己の都合に左右されず、中立的・客観的な視点からプランの策定やアドバイスを行うこと。
⑤ 専門性の維持(能力の維持・向上)専門知識や技術の維持・向上に日々努め、自らの専門範囲を超える問題については専門家と連携すること。
⑥ 説明責任と同意(インフォームド・コンセント)提案内容のリスクや費用等を明確に説明し、顧客が十分に理解した上で同意を得てプランを実行すること。

特に試験で狙われる重要概念の補足

利益相反(りえきそうはん)の防止

「利益相反」とは、FP自身の利益(あるいは所属する会社の利益)と、顧客の利益がぶつかり合う状態のことです。

例えば、販売手数料が高いだけの不適切な商品を売る行為は利益相反にあたります。FPはこうした状態を極力避け、どうしても生じる場合は顧客にその旨を開示し、公正に対処する必要があります。

守秘義務の「例外」と「継続性」

守秘義務には、試験でよく問われる2つのポイントがあります。

原則として無期限に継続する
相談契約が終了した後や、FP自身が会社を退職・廃業した後であっても、守秘義務が解除されることはありません。

正当な理由がある場合は例外となる
「顧客本人の明示的な同意がある場合」や「裁判所の命令など法令に基づく開示請求がある場合」は、例外的に情報を開示することができます。

練習問題

理解度を確認するための4択問題です。FP試験レベルの基礎知識をチェックしてみましょう。

問題

ファイナンシャル・プランナー(FP)の職業倫理および行動規範に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① FPは、提携する金融機関から受け取る手数料の額にかかわらず、常に顧客の利益を第一に考えて適切なプランニングを行わなければならない。
② FPが業務上知り得た顧客のプライバシーに関する情報は、相談契約が完了した後は守秘義務の対象外となるため、他の顧客の事例として自由に話してもよい。
③ FPは、提案する金融商品やプランについて、顧客が内容やリスクを十分に理解できるよう明確に説明し、合意を得た上で実行を支援する必要がある。
④ FPは、自身の専門知識のみでは不十分な高度な税理・法律問題について、弁護士や税理士などの専門家と適切な連携を図ることが求められる。

解答・解説

正解:②

① 適切
FPは「顧客利益の優先」に基づき、自己や提携企業の利益ではなく顧客の最善の利益を優先して行動しなければなりません。

② 不適切
FPの守秘義務は相談契約の終了後であっても継続します。顧客の許可なく事例として話すことは守秘義務違反となります。したがって本肢が最も不適切です。

③ 適切
インフォームド・コンセント(説明と同意)に基づき、リスクや内容を丁寧に説明して顧客の同意を得る必要があります。

④ 適切
専門性の維持および他士業法遵守の観点から、必要に応じて外部の専門家と連携することは適切な行動です。

まとめ

今回は「ファイナンシャル・プランニングの職業的原則」について解説しました。ポイントをまとめると以下の通りです。

  • FPの行動の根幹は「顧客利益の優先(利益相反の回避)」にある
  • 守秘義務は契約終了後や退職後も永続的に課される(顧客の同意や法令上の要請がある場合を除く)
  • メリットだけでなくリスクや手数料も十分に説明し、納得(インフォームド・コンセント)を得る
  • 自身の専門知識を維持向上させ、専門外の分野は他の専門家と正しく連携する

FP試験では、当たり前のことに見えてひっかけ問題になりやすい分野です。「顧客の立場に立っているか」「法令や倫理に反していないか」を軸に選択肢を判断できるようにしておきましょう。

参考・関連用語

用語簡易的な説明
職業倫理専門職としての社会的責任を果たすために、自律的に守るべき行動指針や規範。
利益相反一方の利益が他方の不利益となるような利害の対立状態。FP業務では回避が求められる。
守秘義務業務上得た秘密を正当な理由なく漏らしてはならない義務。契約終了後も存続する。
インフォームド・コンセント十分な説明を受けた上での、顧客の主体的な同意および納得のこと。
インテグリティー高潔さ、誠実さ、品格のこと。FPの信頼性を支える重要な要素。
コンプライアンス法令遵守のこと。社会規範や企業倫理を含めた広いルールを守る姿勢。

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