「統計学に出てくる『共分散』って具体的に何を表しているの?」
「相関係数とは何が違って、どう使い分ければいいの?」
「計算の仕組みや、正・負の連動性の意味を感覚的に理解したい!」
データ分析やマーケティング、研究などで2つのデータの関係性を探るとき、最初に登場するのが「共分散(きょうぶんさん)」です。
最大の特徴は、一言でいうと「2つのデータの連動性を表す数値」であること。片方のデータが動いたとき、もう片方が同じように動くのか、あるいは逆の動きをするのかという「関係性の向き」をプラス・マイナスの符号で教えてくれる便利な指標です。
この記事では、統計学の基礎教養として絶対に押さえておきたい「共分散」の仕組みと特徴を、5枚の図解構成に合わせて分かりやすく解説します!
目次
- 【直感編】 共分散とは?一言でいうと「2つのデータの連動性を表す数値」
- 【位置づけ】 2変数の関係性を測る道具!統計学におけるマッピング
- 【理論編】 どうして向きがわかる?共分散を弾き出す3つのステップ
- 【比較編】 何が違う?方向がわかる「共分散」vs 強さまでわかる「相関係数」
- 【まとめ】 これだけは押さえよう!共分散の本質と身近な3つの代表例
1. 【直感編】共分散とは?一言でいうと「2つのデータの連動性を表す数値」
まずは、共分散(きょうぶんさん)がどのようなものなのか、直感的なイメージから掴みましょう。
共分散とは、一言でいうと「2つのデータの連動性を表す数値」です。

気温のメーターと、アイスクリームの売り上げグラフが並んでいる様子をイメージしてください。気温が上がると同時に、売り上げのグラフもぐんぐんと右肩上がりに連動して伸びていきます。このシチュエーションを、一人の研究員が「お互いに関係しているぞ」と笑顔で指さしています。
このように、2つの異なるデータが「一緒に連動して動いているか」を数値化するのが共分散です。
💡 【ワンポイント】
2つのデータの関係を
プラスマイナスで示す!
連動の向きがわかる!
2. 【位置づけ】2変数の関係性を測る道具!統計学におけるマッピング
次に、共分散が数学やデータ分析の世界の中でどのような位置づけにあるのか、全体マップを見てみましょう。
共分散は、「2変数の関係性を測る道具」として位置づけされています。

データを分かりやすく1つの数値にまとめる「データの要約」の中でも、2つ以上の変数を扱う「多変数統計量」のグループに属しています。より発展的な指標である「相関係数」とは、同じ目的を持ったライバル関係として位置づけられています。
💡 【ワンポイント】
関係の有無だけでなく
方向性まで判別する!
分析の基本になる!
3. 【理論編】どうして向きがわかる?共分散を弾き出す3つのステップ
共分散が計算される本質的な目的は、「関係性の方向を数値化する」という点にあります。その数値は、次の3つのステップを経て導き出されます。

- ステップ1:平均からのズレ2つのデータのそれぞれの平均値を基準線として引きます。各データがその基準線からどれだけ離れているか(偏差)を矢印で測ります。
- ステップ2:ズレを掛け算ステップ1で求めた「2つのデータのズレの数値」を、かけ算のミキサーに投入して混ぜ合わせます(積を求める)。
- ステップ3:平均を求める掛け算して出たすべての数値を足し合わせ、データの数で割って最終的な共分散の数値を弾き出します。
💡 【ワンポイント】
同じ方向に動けば正!
逆の方向に動けば負!
無関係なら0になる!
同じ方向にズレているデータ同士を掛けるとプラス(正)になり、逆方向にズレているとマイナス(負)になるため、最終的な平均値の符号を見るだけで連動の向きがわかります。
4. 【比較編】何が違う?方向がわかる「共分散」vs 強さまでわかる「相関係数」
統計学において、共分散とセットで必ず語られる「相関係数」との違いを整理しておきましょう。
一言でいうと、その最大の違いは「単位の影響を受けるかどうか」にあります。

| 項目 | 共分散(本用語) | 相関係数 |
| 単位の | 影響あり(cmやgで数値が変わる) | 影響なし(何を測っても一律) |
| 強さの | 判定不可(数字の大きさで比較できない) | 判定可能(-1から+1の間に収まる) |
本用語である共分散は、センチメートル(cm)やグラム(g)といった「単位」の重りによって、計算結果の数値が大きく変動してしまいます。そのため、データの連動する「方向」はわかっても、その関係がどれくらい強いのかを判定することができません。
一方で相関係数は、共分散から単位の影響を取り除いたものです。どんなデータであっても必ず「-1から+1の間」にすっきりと収まる縮尺のついた定規のようになり、関係性の「強さ」まで一目で比較・判定できるようになります。
💡 【ワンポイント】
共分散 ➡ 方向だけがわかる!
相関係数 ➡ 強さまでわかる!
5. 【まとめ】これだけは押さえよう!共分散の本質と身近な3つの代表例
最後に、今回学んだ共分散の要点を振り返りましょう。
まずはここだけ絶対に押さえておけば完璧です!

私たちの身の回りにあるデータも、共分散を計算すると大きく3つのパターンに分かれます。
- 勉強と点数(正の連動)勉強時間が増えれば増えれば増えるほど、テストの点数も一緒に高くなっていく関係。共分散の数値はプラス(正)になります。
- 気温と暖房(負の連動)冬の気温が下がれば下がるほど、お家の暖房費が高くなっていくという、お互いが逆向きに動く関係。共分散の数値はマイナス(負)になります。
- 身長と運勢(無関係)個人の身長の高さと、その日の占い結果の良し悪しのように、全く関係なくデータがバラバラに散らばっている状態。共分散の数値は「0」に近づきます。
💡 【ワンポイント】
共分散とは
「偏差の積を平均し、
連動性を正負で示す手法」
データ分析の第一歩は、2つの要素が「お互いにどう影響し合っているか」を知ることから始まります。数値の大きさそのものに惑わされず、まずは「プラスか、マイナスか、それともゼロか」に注目して、データ同士の隠れたチームワークを見つけ出すのが共分散の役割です。
統計学の教養としては、「2つのデータが同じ向きに動くか逆向きに動くかを示す数値であること」、そして「単位に影響されるため、関係の強さを測るにはライバルである『相関係数』へ発展させる必要があること」という最大の特徴をしっかりと頭に入れておきましょう!
📚 このテーマをもっと学びたい方へ
さらに理解を深めたい方には、統計検定2級の公式テキストがお薦めです!


コメント