最頻値

AI用語

最頻値(モード)とは?

データの中で最も出現頻度(度数)が高い値を「最頻値(Mode:モード)」と呼び、記号 Mo などで表されます。平均値や中央値とは異なり、数値としての意味を持たない「質的変数(カテゴリカルデータ)」に対しても適用できる唯一の代表値である点が最大の強みです。

最頻値の求め方と公式

個別のデータ群から直接求める場合と、度数分布表(グループ化されたデータ)から推定する場合の2通りの方法をしっかり整理しましょう。

1. 個別データからの算出方法

最も出現回数が多い値をそのまま最頻値とします。ただし、データ状況によって以下のような特徴があります。

データの状態最頻値の扱い具体例
最頻値が1つ(単峰)最も頻度の高い値が 1 つ決定する。データ \{1, 2, \mathbf{3}, \mathbf{3}, \mathbf{3}, 4, 5\}
\rightarrow Mo = \mathbf{3}
最頻値が複数(多峰)最大頻度の値が複数存在する場合、そのすべてが最頻値となる。データ \{1, \mathbf{2}, \mathbf{2}, 3, \mathbf{4}, \mathbf{4}, 5\}
\rightarrow Mo = \mathbf{2 \text{ と } 4}(二峰型)
すべての度数が等しいデータに「山」が存在しないため、「最頻値なし」となる。データ \{1, 2, 3, 4, 5\}
\rightarrow Mo は存在しない(一様分布)

2. 度数分布表からの算出(モーダル階級と補間)

度数分布表から最頻値を求める場合、簡易的には「最も度数が大きい階級(最頻階級:モーダル階級)の階級値」を最頻値として扱います。

さらに、前後の階級の度数比を考慮してより精密に比比例補間(直線補間)して求める場合は、以下の公式を使用します。

Mo = L + \frac{f_m - f_1}{(f_m - f_1) + (f_m - f_2)} \times h
  • L :最頻階級の下限値
  • f_m :最頻階級の度数
  • f_1 :最頻階級の1つ前の階級の度数
  • f_2 :最頻階級の1つ後の階級の度数
  • h :階級幅

最頻値の重要な性質

1. 質的変数(名義尺度・順序尺度)にも適用可能

血液型(A, B, O, AB)や好きな果物のアンケートなど、足し算や並べ替えに意味がない質的変数(名義尺度)に対して唯一使用できる代表値です。(※平均値や中央値は足し算や順序が必要なため質的変数には使えません。)

2. 外れ値に対する非常に強い頑健性(ロバスト性)

最頻値は単に「最も頻度の高い値」に着目するため、極端な巨大値や最小値(外れ値)がデータセット内に発生しても値が全く影響を受けません。

3. 一次変換の影響

一次変換 y_i = a x_i + b を行った場合、元のデータセットの最頻値 Mo_x と新しいデータセットの最頻値 Mo_y の間には、そのまま以下の関係が成り立ちます。

Mo_y = a \cdot Mo_x + b

試験対策チェックポイント

  • 「質的変数(名義尺度)で使える代表値は最頻値のみ」という知識は出題率が極めて高いため必ず暗記する。
  • 最頻値は1つに決まるとは限らず、「複数存在する場合がある(あるいは存在しない場合もある)」点に注意する。(平均値・中央値は常に1つに定まる)。
  • 度数分布表において階級幅が揃っている場合、「度数が最も大きい階級の階級値」が簡易的な最頻値となる。
  • 右に裾が長い分布(所得など)では、「最頻値 < 中央値 < 平均値」の順になる関係性を再度確認しておく。

確認問題(統計検定2級レベル)

問題

最頻値(モード)に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選べ。

  1. 血液型や出身都道府県のように数値としての意味を持たない名義尺度のデータに対しては、平均値や中央値を計算することはできないが、最頻値を求めることはできる。
  2. データセット内に同一の最大度数を持つ値が 2つ存在する場合、それら 2つの値の平均値を算出して単一の最頻値としなければならない。
  3. データセットの各値 x_i を y_i = -2x_i + 10 と変換したとき、新しいデータの最頻値 Mo_y は元の最頻値 Mo_x を用いて -2 Mo_x + 10 と表される。
  4. 階級幅が一定の度数分布表において、最も度数が大きい階級の「階級値」は最頻値の近似値として利用される。

解答・解説

正解: 2

【解説】

1:適切。質的変数(名義尺度)においては順序や加減算が定義できないため平均値・中央値は求められないが、最大度数のカテゴリを指す最頻値は適用可能である。

2:不適切。最大度数を持つ値が複数存在する場合、それらの平均をとるのではなく「その複数の値すべてが最頻値(多峰型)」となるため誤り。(※平均をとるのは中央値で偶数個のデータの場合である。)

3:適切。一次変換 y = a x + b に対し、最頻値もそのまま Mo_y = a \cdot Mo_x + b と変換される。

4:適切。度数分布表から簡便に最頻値を求める際、度数が最大となる階級(最頻階級)の階級値(階級の中央の値)を用いる。

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