質的変数(カテゴリカル・データ)

統計検定2級用語・練習問題

質的変数(カテゴリカル・データ)とは?

統計学で扱うデータ(変数)は、その性質によって大きく「質的変数」と「量的変数」に分類されます。このうち質的変数(カテゴリカル・データ)とは、数値としての意味を持たない「分類」や「状態」、「種類」を表すデータのことです。

質的変数の2つの尺度水準

質的変数は、データの持つ情報の優先順位や順序関係の有無によって、さらに「名義尺度」と「順序尺度」の2つに分類されます。

尺度水準定義・性質具体例順序関係・計算の可否
名義尺度
(Nominal Scale)
単に区別や分類のみを目的とするデータ血液型(A, B, O, AB)、性別、都道府県、電話番号、背番号順序なし・四則演算不可
順序尺度
(Ordinal Scale)
順序や大小関係・優先順位に意味があるデータ満足度(満足・普通・不満)、段階評価(1〜5)、成績(秀・優・良・可)順序あり・間隔は等しくないため四則演算不可

質的変数の集計と代表値

質的変数を分析・要約する際は、連続的な数値データとは異なる手法を用います。

集計方法

各カテゴリに該当するデータの個数を数え上げる度数(頻度)を集計し、度数分布表やクロス集計表を作成します。また、視覚的表現には棒グラフや円グラフが適しています。

利用可能な代表値

  • 最頻値(モード):名義尺度・順序尺度のどちらでも使用可能(最も出現頻度が高いカテゴリ)。
  • 中央値(メディアン):順序尺度のみ使用可能(データを順に並べた中央のカテゴリ)。名義尺度では順序概念がないため定義できません。
  • 平均値(ミーン):足し算や割り算に意味がないため、質的変数には原則適用できません。

試験対策チェックポイント

  • データの数値が「足し引きに意味があるか」を考え、意味がなければ質的変数と判断する(例:背番号や郵便番号は数値だが質的変数・名義尺度)。
  • 順序尺度は大小・順位の比較は可能だが、「1位と2位の差」と「2位と3位の差」などの間隔が等しいとは限らない点に注意する。
  • 代表値の適用限界を押さえる(名義尺度は最頻値のみ、順序尺度は最頻値と中央値が使用可能)。

確認問題(統計検定2級レベル)

問題

質的変数(カテゴリカル・データ)および尺度水準に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選べ。

  1. アンケートで収集した「非常に満足、満足、どちらでもない、不満、非常に不満」の5段階評価データは、順序尺度に該当する。
  2. サッカー選手のユニフォームに表記された「背番号」は、数値で表されているものの、単なる識別符号であるため名義尺度として分類される。
  3. 名義尺度として測定されたデータにおいては、データ全体の中心傾向を示す指標として中央値を用いるのが最も適切である。
  4. 順序尺度として分類されるデータはカテゴリ間に大小や順序の関係が存在するが、その間隔の等しさや比率(倍数)の意味は保障されない。

解答・解説

正解: 3

【解説】

1:適切。5段階評価などの段階付けデータは、各選択肢の間に順序・優先関係が存在するため「順序尺度」である。

2:適切。背番号や郵便番号、電話番号などは数値形式をとるが、足し算や引き算、大小比較に意味はなく区別のみを目的とするため「名義尺度(質的変数)」に該当する。

3:不適切。名義尺度には大小・順序の概念が存在しないため、データを順番に並べて中央の位置を特定する「中央値」を定義することはできない。名義尺度で利用できる代表値は「最頻値(モード)」のみである。(※選択肢3の記述は誤り。)

4:適切。順序尺度は「A > B」という順位関係を表すが、「AとBの差」が「BとCの差」と等しいこと(等間隔性)は意味しない。

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