【統計検定2級】一様分布

統計検定2級用語・練習問題

今回は、統計検定2級の確率分布分野において、基本でありながら応用範囲の広い「一様分布(いちようぶんぷ)」について解説します。

一様分布とは、すべての事象が「同じ確率(一様な確率)」で発生する分布のことです。一様分布には「離散型一様分布(サイコロの目など)」と「連続型一様分布(待ち時間など)」の2種類が存在します。統計検定2級では、特に連続型一様分布の期待値や分散の公式、確率の計算が頻出するため、それぞれの性質を正確に整理することが重要です。

一様分布を一言でいうと

一様分布とは、ある範囲内において、どの値をとる確率もすべて完全に均等(一定)である確率分布のことです。

グラフを描くと、確率の高さがどこでも一定になるため、平らな長方形(長方形分布)の形をとるという特徴を持っています。

離散型一様分布と連続型一様分布の違い

一様分布は、確率変数がとる値の性質によって2種類に分類されます。

  • 離散型一様分布: とる値が整数のように「とびとびの値」であるケースです。代表例はサイコロの目で、1から6までの目がすべて \frac{1}{6} という均等な確率で発生します。
  • 連続型一様分布: とる値が「つながった実数値(範囲)」であるケースです。例えば「0分から10分の間のどこかでランダムにバスが到着する」といった待ち時間や、ルーレットが止まる角度などが該当します。

統計検定2級の試験対策としては、計算問題になりやすい「連続型一様分布」の公式を確実に押さえておく必要があります。

連続型一様分布の確率密度関数

確率変数 X が、a から b までの範囲(a \le X \le b)で一様分布に従うとき、その確率密度関数 f(x) は以下のようになります。

f(x) = \frac{1}{b - a}

確率密度関数の特徴として、「全体の面積(全確率)」は必ず 1 にならなければなりません。横幅が b - a の長方形において、面積を 1 にするためには、縦の長さ(確率密度)が常に \frac{1}{b - a} という一定値をとる必要があります。

連続型一様分布の期待値と分散の公式

a から b までの連続型一様分布における期待値 E[X] と分散 V[X] は、以下の公式で表されます。

期待値(平均)

E[X] = \frac{a + b}{2}

分散

V[X] = \frac{(b - a)^2}{12}

期待値が \frac{a+b}{2} になるのは、長方形のちょうど真ん中(重心)が平均値になるため、直感的にも分かりやすい性質です。一方、分散の分母が 12 になる点については、積分計算(導出)によって導かれる数値であるため、試験対策としてはこの形をそのまま暗記しておくことが強力な武器になります。

離散型一様分布の公式と計算例

とる値が「とびとびの値」であり、それぞれの値がすべて同じ確率で発生する分布が離散型一様分布です。

確率変数 X が 1, 2, \dots, n という n 個の整数値を等確率でとるとき、どの値をとる確率もすべて P(X = k) = \frac{1}{n} となります。このときの期待値 E[X] と分散 V[X] は、以下の公式で計算されます。

期待値(平均)

E[X] = \frac{n + 1}{2}

分散

V[X] = \frac{n^2 - 1}{12}

連続型一様分布の分散の分母と同様に、離散型一様分布の分散でも分母に 12 という数値が登場するのが非常にユニークな特徴です。

離散型一様分布の具体例(サイコロの目)

もっとも身近な離散型一様分布である「普通の6面体サイコロ(n = 6)」を例に、実際にこの公式が成り立つかを確認してみます。

1. 期待値(平均値)の計算
公式に n = 6 を代入します。

E[X] = \frac{6 + 1}{2}

= \frac{7}{2}

= 3.5

サイコロの目の平均値である「3.5」が公式から瞬時に導き出せます。

2. 分散(ばらつき)の計算
同様に公式に n = 6 を代入します。

V[X] = \frac{6^2 - 1}{12}

= \frac{36 - 1}{12}

= \frac{35}{12}

\approx 2.92

以前に「確率変数の分散」の記事で、シグマを使って力技で計算したサイコロの目の分散(\frac{35}{12})と、完全に一致することが確認できます。

理解を深める例題(バスの待ち時間)

具体的な連続型一様分布のケースを用いて、確率と期待値・分散の計算を行います。スマホ等の画面幅に対応するため、計算式は縦に並べて展開します。

例題:問題

あるバス停では、0分から 12 分の間のどこかで、完全にランダムに(連続型一様分布に従って)バスが1本到着することが分かっています。この待ち時間を確率変数 X とします。
(1)バスを待つ時間が「3分から 8 分の間」になる確率を求めてください。
(2)待ち時間 X の期待値 E[X] と分散 V[X] を求めてください。

例題:解答・解説

範囲は a = 0, b = 12 です。確率密度関数の高さは f(x) = \frac{1}{12 - 0} = \frac{1}{12} となります。

(1)の解説
連続型確率分布における確率は、確率密度関数の「面積」で計算します。
求める範囲の横幅は 8 - 3 = 5 分間です。これに高さ \frac{1}{12} を掛け算します。

P(3 \le X \le 8) = (8 - 3) \times \frac{1}{12}

= \frac{5}{12}

したがって、3分から8分の間にバスが来る確率は \frac{5}{12}(約 41.7%) となります。

(2)の解説
期待値と分散の公式に a = 0, b = 12 を代入します。

E[X] = \frac{0 + 12}{2} = 6

V[X] = \frac{(12 - 0)^2}{12}

= \frac{144}{12} = 12

したがって、期待値は 6分、分散は 12 となります。

練習問題

問題

確率変数 X が、ある区間 [a, b] における連続型一様分布に従っています。この一様分布の期待値が 5、分散が 3 であるとき、区間の下限 a と上限 b の組み合わせとして正しいものを1つ選んでください。

① a = 1, b = 9
② a = 2, b = 8
③ a = 3, b = 7
④ a = 4, b = 6

解答・解説

正解:②

解説:
一様分布の期待値と分散の公式から、a と b の連立方程式を作成して解きます。

まず、期待値の公式より以下の式が成り立ちます。

\frac{a + b}{2} = 5 \implies a + b = 10

次に、分散の公式より以下の式が成り立ちます。

\frac{(b - a)^2}{12} = 3 \implies (b - a)^2 = 36

b > a であるため、平方根をとると以下のようになります。

b - a = 6

得られた2つの式(a + b = 10 と b - a = 6)を足し合わせます。

2b = 16 \implies b = 8

b = 8 を a + b = 10 に代入すると、a = 2 となります。

したがって、a = 2, b = 8 となり、正しい選択肢は ② です。

まとめ

今回は「一様分布」の公式と性質について解説しました。

  • 一様分布は、指定された範囲内のすべての値が等しい確率密度で発生する分布であり、グラフは長方形になります。
  • a から b までの連続型一様分布の期待値は \frac{a + b}{2}、分散は \frac{(b - a)^2}{12} です。
  • 連続型一様分布における確率は、特定の区間の「横幅」に「確率密度の高さ(\frac{1}{b - a})」を掛け算した面積で求めます。

統計検定2級では、一様分布の分散公式(分母の12)を覚えているかを直接試す計算問題や、確率密度関数の性質を利用した応用問題が時折出題されます。シンプルな形状ゆえに確実に得点源にしたい分布ですので、公式をしっかりと記憶しておきましょう。

参考 関連用語

用語簡易的な説明
確率密度関数連続型確率変数において、ある値の周辺での確率の現れやすさを表す関数です。積分した面積が確率に対応します。
離散型確率分布サイコロの目一様分布のように、とる変数がとびとびの値である場合の確率分布です。
連続型確率分布待ち時間や長さのように、とる変数が連続的な実数値である場合の確率分布です。
正規分布一様分布(平らな分布)とは対照的に、中央(平均値)付近が最も高く、左右に対称に裾野が広がる連続型確率分布の代表格です。

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